
ゴシックホラーの世界を美麗かつ精緻なドット絵で描き出す。
"ため息が出るほど美しい"背景アートは、悪魔城シリーズの魅力の1つですよね。
本当にため息ついてたら敵に
殺されますけどね!
なかでも、『Castlevania 白夜の協奏曲』は背景アートへのこだわりが濃厚すぎて、
変態だと思うことがあります。
誰が気付くんだ。ミッケ!かって突っ込んでしまうくらい、細部に遊び要素が埋め込まれています。
普通にプレイしていても気付かない
背景クリエイターの片想いみたいなこだわりを、ほんの一部ですが私のスケッチでご紹介していきたいと思います。
たぶん伝わらないと思います。片想いその1~実は魔導器の持ち主が描かれていた

▲ゲーム序盤・エントランスのとある部屋。
魔導器「たましいのオーブ」が置いてある部屋ですが、よく目を凝らすと遠景に、首吊り遺体があるのがわかります。
たましいのオーブは、
この人の魂ってことなんですね。
アイテムと背景をマッチさせるこだわりがステキです!
ただ、とても小さく、濃霧に霞んでて、
よく見ないと気付かないです。
片想いその2~お分かりいただけただろうか
まずは世界観の説明を。
『白夜』では、
表の城と、
裏の城という2つの悪魔城が重なりあって存在します。
表と裏の城はほぼ
全く同じ間取りですが、空の色や壁の破損具合など、
背景アートが少し異なり、変化を楽しむことができます。

▲先ほどのお部屋の、裏の城バージョンです。
空の色が血のような真っ赤になって、より狂気を感じますね!ホラーとしてはベタな表現ですが良いですね!
...さて、
お分かりいただけただろうか?ご遺体が2体に増えているということに。

表の城では1体だった首吊りさんが、裏の城では2体並んでいます。
ッいいですね!いい!これは素晴らしい!(注・背景のこだわりについての評価です)何度も言いますが、この背景、
注意して見ないと気付かないです。
遺体に触れてアクションが起こせるとか、そういうの一切無いです。
ただの遠景だから。
ちなみに表の城では「たましいのオーブ」が安置されていましたが、裏の城では「ハートマックスアップ」(技ポイントの最大値を上げるアイテム)が置いてあります。
これも
この人のハートなんでしょうね。片想いその3~いらないアイテムに特別な背景

▲
ゲーム中盤・空中回廊の一エリア。
左右で対の塔のような形をしていて、左には「きんのおきもの」が、右には「ぎんのおきもの」が安置されています。
この塔の違いこそが、とても凝った演出なのです!

「きんのおきもの」は
豪華絢爛な礼拝堂風の塔に鎮座しています。
パイプオルガンと光が差すドーム天井が輝かしい、まさに
「金」にふさわしい空間です。
見惚れてしまう。

対照的に「ぎんのおきもの」は
質素な塔の屋根裏に置かれています。
屋根には苔がむし、窓もない屋根裏は真っ暗です。
控えめで静かな「銀」のイメージでしょうか。
こんなに凝った部屋に置いてあるアイテムだから、
攻略のカギとなる
重要アイテムに違いない。
と思いたいところです。
しかし、この2つのアイテムは全然重要なアイテムではありません。
趣味で集めるコレクション的なアイテムでしかなく、攻略に一切絡んできません。
(注・全コレクションアイテムを集めるとエンディングの一部の台詞が変化する、というご褒美要素はアリ)攻略とは関係ないところでさりげなく、美しい背景をぶっ込み、しかも背景とアイテムがマッチしている。
そこが
愛らしいですよね。雅で乙ですよね。ちなみに裏の城はどうかというと。
左の塔に「キングサイズベッド」、右の塔に「ハートマックスアップ」が配置されています。
---肉体と精神、
身体と
愛?
2つが対になってないとダメ、と言ってるようで、
意味深なところが面白いです。
以上、現場から、伝わらない背景リポートでした。